今思えば(メモとして書いておこう)

先週の木曜くらいからおかしかった。体は疲れていないのに何もやる気が起きない。決して全ての物事に対して真面目な態度を取れる人間ではないから「やる気が起きない」ことに関しては気にしていなかった。
いくつか見たい展示もあったので会期や時間をチェックしたりして週末に備えていた。
でもいざ週末になってみると外に出たい気が全くなくなっていた。自発的に全く外出できない。このあたりから眉間のあたりに牛革で出来ている板を貼り付けたような感覚があったような気がする。なんだか上手く表情が作れない。
彼女との約束の時間に間に合うように家を出発できなくて待たせてしまったり。
月曜日に仕事に向かう。仕事には何の躊躇も無くいけた。でも眉間にある違和感は変わらない。昼休みに外でタバコを吸っているときに「これはストレスか?」とやっと自覚する。
色んな人に迷惑をかけながら火曜日に休みをとる。そして彼女に電話、今の自分の状態を全て話す。心配させてしまうかもしれないけれども自分が適切なリアクションを取る事が出来ない状態である事を告げておいたほうが良い気がして。案の定心配させてしまったけれども気が楽になる。
火曜に両親が二人で旅行に行くので羽田まで車で送る。その後に彼女と合流して伊豆へ。
車中の会話のなかで「こういうことは初めてか?」と言うような事を聞かれる。ここまでしんどい状態になったのは初めてだけれども近い事はあったかも、と話す。
中学生の時に歯医者に行こうとして何故か長野に行ってしまったときの事を話す。
東名高速から小田原厚木道路、ターンパイクを上がって伊豆高原まで行く。お腹がすいたのでセブンイレブンへ。ここでもう帰ろうかとも思ったけれど下田まで行かないとダメな気がして向かう。
伊豆高原から下田までの道は好きな道。よく通った道である時期には毎月通っていた。あまり喋れなかった。心の中でカーブ一つ一つに「ひさしぶり」と声をかけていた。
もうすっかり暗くなっていて海も空も浜も群青色を上から塗ったような景色。下田の市街に直接入る道を選んで迷い無く「いず松陰」に行く。ジャズポートが無くなってしまった今ではここに行かないと帰れないような気がした。
食べ終わってからスーパーアオキに寄って地のりを4つ買う。お土産。
彼女は助手席でぐっすり寝ていた。行きよりも帰りの道のカーブのほうが気持ちがいい。眉間の違和感も弱くなった。西湘バイパスから鎌倉を通って彼女をおろす。
ヨコヨコから第三京浜を通って帰宅。夜1時過ぎに帰宅した。

なにが「ストレス」の素だったのか今でもよくわからない。自分は精神的にタフなほうだと思っていて実際そうだと思う。でもなんか歯車が狂っていたのか。もしかしたら自分にとって「車で遠出」という行動が自覚するよりも重要な行為なのかもしれない。
知ってる道を知っている所に向かって移動する事はこんなにも心地よいのだな、ということに気がついた。